日本を代表するプロフェッショナル達に、世界に一つだけの園舎を創って頂きました。園舎の総合プロデュースは、森本千絵さん。園舎設計は隈研吾さん、園庭デザインは安中圭三さん。ステンドグラスは平山健雄さん。それぞれの分野で日本を代表する皆さんが、子どもの人生を豊かにし、才能を伸ばす園舎をデザインして下さいました。
夢見るような世界観を表現する、日本を代表する女性アートディレクター。
1999年博報堂入社。企業広告、ミュージシャンのアートワーク、映画・舞台の美術、動物園や保育園の空間ディレクションなど活動は多岐に渡る。伊丹十三賞、日本建築学会賞、日経ウーマンオブザイヤー2012など多数受賞。2歳のお嬢さんを育てるママでもある。
花が育つように、子どもの「根」が育つ場
私は、人間の「根」となる部分はとても大切で、それがしっかりしていると、豊かな人生を送ることができると考えています。そこで、子どもの「根」の部分がしっかり育つような園舎デザインを考えました。
たとえば、教室の壁紙やステンドグラスなどに囲まれた子どもは、感受性や創造性を養うことができると思います。また、高く開放的な天井の教室や、のびのびと走り回れる園庭・ウッドデッキで日々を過ごす子どもは、明るく元気な心と体が育っていくと感じます。
この園舎で幼少期を過ごした子どもたちは、感受性・創造性・体力・明るい心など、人として大切な「根」の部分をしっかり育てて、その後の人生で大きな花を咲かせることができるようになると感じています。
木の温かさや日本らしさを表現する“和の大家”の建築家。
1954年横浜市大倉山出身。1979年東京大学建築学科大学院修了。コロンビア大学客員研究員を経て、2001年より慶應義塾大学教授。2009年より東京大学教授。日本建築学会賞、アメリカ建築家協会ベネディクタス賞など多数受賞。東京オリンピックに向けて建築される新国立競技場の設計にも携わっている。
建築とデザインの融合した、創造力のわきあがる空間
自然の素材を活かした、柔らかくて優しい建築。森本千絵さんの子どもの世界に入りこんだようなデザイン。このような建築とデザインを融合した、いままでの教育施設には存在しなかった空間が完成しました。
園舎の床や外壁には、子どもに優しさを感じてもらえる自然の素材を選びました。幼少期から自然素材に親しむことは、その後の人生にとって大切なことだと考えます。また、僕自身、子どもの頃に走り回ることが大好きだったので、園庭や屋上などで思いっきり走り回れる空間を創りました。三角屋根を感じる教室は、箱型の建物の多い日本では貴重で、家庭にいるように日々を過ごすことができます。
子どもたちがこの空間で豊かな人生の原体験を重ね、創造力を育てて欲しいです。
子どもが豊かな人生を送ることのできる園庭をデザインするデザイナー。
建築設計事務所にて住宅設計、学童保育にて指導員、遊具メーカー園庭デザイン研究所所長を経てコト葉LAB.を設立。幼稚園・保育園の園庭デザイン・コンサルティングなどに携わる。キッズデザイン賞などの受賞多数。
子どもの才能の花を咲かせるための「土」のような園庭
「花育」という園舎のコンセプトに対して、園庭はどうあるべきか。植物は、「種」から「根」が伸び、「花」を咲かせます。その過程で大切なのは「土」です。この園庭では子どもたちの「花」を咲かせるために必要な栄養素(“遊び経験”)が十分に準備されている「土」の様な環境を創ることを意識しました。
「土」の栄養素に何を含めるかを考えるため、先生方に「子どもの頃の経験で、大人になって良かったと思える事」を伺いました。先生方から引き継いだ経験が育まれる環境を、子どもたちに届けられるようなデザインを考えました。
子どもたちが、この園庭での経験を「子どもの頃に経験して良かった事」として、更に次の世代に語り継いで行って欲しいです。
ステンドグラス作家。武蔵野美術大学卒業後、フランス国立高等工芸美術学校で学ぶ。渋谷109ビル、文祥堂銀座ビル、横浜市開港記念会館(修復)、横浜市立大学、横浜市港北区役所、富山市芸術文化ホールなど個人住宅から大規模ステンドグラスの制作・修復・復元を手掛ける。横浜市より横浜マイスターの称号を授与される。横浜市港北区菊名在住。
園舎も子どもたちも輝かせるコラージュステンドグラス
日本でも製作例の少ないコラージュステンドグラスを楽しく作らせていただきました。
原画のとても優しく暖かい雰囲気をガラスで再現するため、フランス古典絵付け技法を駆使して、また最高級のアンティックガラスを使っての素晴らしい作品が生まれました。
欧州では、ステンドグラスの背景に宗教があり、建物とともに未来永劫光輝くという役割が与えられています。そのステンドグラスを私たちは丁寧に扱い、時には修繕し、次の世代に引き継いでいくことが大切です。このことは子どもを育てるということに似ています。美しいものがわかる子どもたちが、日々このステンドグラスを目にして大切にしながら、一人ひとりも輝く存在となって欲しいと思っています。